11/22/2013

◆初めての草書!

えらいことになってしまった。赤坂書道教室の共通課題が知らぬ間に草書になっていたのだ。行書も満足に書けないのに、えらいこっちゃなのである。題材は明時代末期の大家・張瑞図(ちょうずいと、1570-1641年、福建泉州)の草書で、書かれているのは、その昔、漢文の授業で習ったことのある、かの有名な杜甫(なつかし~~)の詩「飲中八仙歌」。その書には圧倒的な迫力があり、自在で奔放な筆の勢いに眩暈がしてくるほどだ。いやあ、私の臨書でその凄さが少しでも伝わるんだろうか、とかなり(相当に)不安な幕開けなのである。

↓↓↓「口流涎。恨不移封向酒」という9文字。直線的で鋭い筆致が特徴なのだが、なんだか丸くなっちゃったなあ。Aは特にそれが感じられるところ。先生の朱のようにキッパリ直線的に書きたかった。Bの部分はCのようにもっと細長くしなくてはいけなかった。う~~~ん、手ごわい。

11/08/2013

◆世田谷美術館友の会展!

今年もまた、世田谷美術館友の会展の季節がやってきた。数年前から毎回出品しているのだが(友の会の会員なら誰でも出品できる)、さすがに美術館の友の会展だけあって、出品作は油絵や水彩画などの絵画系が大半で、書作品は極くわずか。ここに見に来る人たちは、書作品も絵画と同じ視点で見てくれているんだろうなあ、と想像するだけで何だか楽しくなるのだ。

↓↓↓古代文字(甲骨文)で「雨後青山」。黒の画仙紙に金の墨汁で書いた。額もマットも黒でまとめてみたが、どうでっしゃろ? 会場内の雰囲気が写り込んでいるところも見所かな。
 ↓↓↓「喜雨」の2文字。意味は「日照りが続いた後のありがた~~い喜びの雨」。こちらは漢字の原型と言われる古代文字の造形の面白さが見所のつもり。

11/06/2013

◆書道再開!

10月中旬にサンフランシスコから戻り、留守中に溜まっていた諸々に忙殺されていたらあっと言う間に11月だ。ホント、油断も隙もないのである。
先週の土曜日、帰国後初の書道教室に行ってきた。久々だったので客観的に見ることができたのか、みんなの書がすごく新鮮で、「上手いなあ」とつくづく思ったのだった。で、自分の書はどうなんだ? というと、なんだかふにゃふにゃで・・・。

↓↓↓競書雑誌『書統』のお題で「崖懸花倒生」の5文字。全体的に墨が足りなかった。下段はもう少し下げてAのアキを広くする。Bの「倒」がカスレてしまったが、ここで墨をたっぷり付け足さなくてはいけなかった。「生」のCの部分は木簡(もっかん)などの古代文字風にヒゲを付けてもいいし、Dのように真っ直ぐでもOK.。
↓↓↓『書統』の詩文書のお題。全体に字間が詰まり過ぎ(A)。そのため下(B)が空き過ぎてしまった。Cの「を」は大きく書く。Dの部分、「とど」と同様の文字が2つ続く時は最初の文字(と)を大きくする方がよかった。Eの「ろ」は普通に最後が丸くなるように書いたが、ここは先生の朱(F)のように半月程度で止める方がいいそうだ。Eの書き方は子供っぽく見えるんだとか。知らなかったなあ・・・。Gの「力」は右肩が下がらないようにする。Hの「権」はもう少し大きく。
↓↓↓こちらは自主課題の再開だ。顔真卿(がんしんけい)・祭姪文稿(さいてつぶんこう)。読みは「爰(ここ)に土門を開く。土門既に開き、兇威(きょうい)大いにちぢむ」。以下、全体に文字が大き過ぎたため字間(A)が狭くなってしまった。Bはもっとしっかり書く。Cの部分は先生の朱のように斜めに上がっていくように書きたかったところ。う~~む、なかなかうまくいかないなあ。

10/13/2013

◆書のカードでお別れ!:from サンフランシスコ

ついにサンフランシスコを経つ時が来た。今回はサンフランシスコからお届けする最後のブログだ。こちらでは全く書道をしていなかった、かと思いきや、最後の最後にちょっとだけ書いたので、それを紹介して締めとしよう。ジャパンタウンで無地のカードを買い、お世話になった方々に「楽しい時をありがとう」の気持ちを込めて、古代文字の甲骨文(こうこつぶん)で「楽」と書いた。墨と筆は日本から持ってきていたが、印はなかったので赤いインクペン(これもジャパンタウンで購入)のサインで代用した。

そもそも書道でカードを作ることを思い付いたのは、たまたま見つけた額縁屋さんの日本人オーナーが、ここでも書をしたらいいと勧めてくれたからなのだ。サンフランシスコの水を使って、自分の好きな場所で、そこの空気や風を感じながら、思い付いた文字を書いたらいいと言うのだ。確かにここでしか書けない「書」があるよなあ、と漠然と思いつつも、何かと忙しく、そのまま忘却の彼方に・・・。それを最後の最後に思い出したというわけだ。

↓↓↓配ったのはこの11枚。皆さん書のカードをもらうのは初めてだったようで(当たり前か)、すごく喜んでくれた。「フレームに入れて一生大事に飾っておくよ」と言ってくれたアメリカ人もいて、「ホントかなあ~」と思いつつも、ちょっとうれしかった。

↓↓↓これは裏側。Ancient Chinese character, around 1600 B.C., means "HAPPY" と鉛筆で書いた。その額縁屋さんのオーナーによると、鉛筆はインクと違って年月が経っても変色しないので、アートの世界でよく使われるのだそうだ。そういえばシルクスクリーンの作品の下に書かれている限定番号や部数は鉛筆で書かれているよね。勉強になるなあ・・・。
なごり惜しいが、3カ月の長いようで短かった滞在もこれにて終了。

Thanks to everyone who I've met in San Francisco!!!

10/08/2013

◆ちょとイカしたコーヒーショップ:from サンフランシスコ 

アメリカと言えばコーヒー。特にスターバックスは、ダウンタウンのどこに行っても見つけることができるほど多い。アメリカ人にとってコーヒーはなくてはならないものなんだなあ・・・、ということで、今回はローカルが教えてくれたちょっとクールなコーヒーショップ2店を紹介しよう。どちらもダウンタウンから外れているが、日本では味わえない American な空気に浸ることができる店だ。

↓↓↓ミッションにあるPhilz Coffee。さすが壁画アートで有名なミッション地区のコーヒーショップだけあって、天井から壁にかけての壁画が見事。ここで飲んだミントアイスコーヒーは病みつきになりそうなほど美味しかった。ドリップで淹れたコーヒーを氷とミントの生葉がたっぷり入ったカップに注いで作ってくれる。暑い日に歩き回った後の一杯だったから、そりゃあもう格別。
 ↓↓↓サンフランシスコから車で1時間くらいのところ、Saratogaにあるコーヒーショップ・Blue Rock Shoot。コーヒー1杯でジャズのオープンマイク(自由参加)・ライブを聞くことができる。我々が行ったときは、ドラムとベースギター、ピアノ、サックスのセッションをしていて、聞きごたえ十分。コーヒーショップでこんなハイレベルなジャズを聞けるとは驚きだ。ミュージシャンは途中で変わることもあるのでメンバーは流動的。まだアマチュアのような人が演奏すると、「あれ?」と思ったりするがそれはそれ。オープンマイクならでは“ゆる~い”楽しさがある。あ、もちろんコーヒーも美味しくいただきました。
 ↓↓↓ステージのある一角はそのままテラス席に続いている。そこに小さな女の子を連れて家族で来ている人もいた。曲が終わると女の子が一生懸命拍手するので、ミュージシャンも周りの人もニコニコだ。

10/06/2013

◆スタンフォード大で「カレーの市民」 と遭遇: from サンフランシスコ

ハーバード大学と並び称される名門大学・スタンフォードは、サンフランシスコから列車で約1時間のところにある。広いキャンパス内には無料シャトルバスが走っていて移動しやすい。キャンパスの面積は全体で3,300ヘクタール。それがどのくらいの広さかというと・・・、要するにとてつもなく広いのだ。
我々は見所と言われるタワーや教会のあたりを散策しただけだったが、そこで偶然(事前に調べていなかっただけ)、ロダンの代表作の一つ「カレーの市民」に遭遇した。この彫刻は世界各国にあり、日本では東京の国立西洋美術館で見ることができる。ただ、スタンフォードの展示方法は少し変わっている。高い台座の上に6人の像をまとめて展示するのが一般的だが、こちらでは鑑賞する人と同じ高さに6人の市民の像が1体ずつ距離を置いて展示されているのだ。
「カレーの市民」は、百年戦争の際、フランスのカレー港がイギリス軍に包囲された時の話(1347年)に着想を得たもの。勇敢なカレーの市民6人が人々を助けるために身を犠牲にし、イギリス王のもとに出頭したときの模様を表現している。この作品は1888年に完成した。
「カレーの市民」を横目にさらに歩いて行くと、Memorial Churchに行き着く。この教会はどの宗教にも属していないが、人々に宗教的な安らぎを与えるために作られた。このような宗教の枠を超えた教会が1903年に作られたというのだから驚く。我々が行ったときは、荘厳な雰囲気の中で2組のカップルが結婚式の予行演習をしていた。

9/30/2013

◆青空の下のオペラ!:from サンフランシスコ

またまたゴールデンゲートパークで開かれたフリーイベントに行ってきた。毎年1回、San Francisco Operaが主催しているオペラコンサートだ。開演1時間前に会場に着いたが、すでに舞台近くの席(というか芝生?)はいっぱいで、「楽しむぞ~!」という熱気がガンガンなのだ。我々はただサンドイッチと飲み物を持参しただけだったが、ピクニック用の椅子やテーブルを用意していたり、ワインボトルやワイングラスを持って来たりと、オペラを口実にとことん楽しもうという気分で満ち溢れていた。

↓↓↓このすごい人の数をご覧あれ。遠くに小さく見えるのが舞台だ。
 ↓↓↓楽しんでるよな~~~。
 ↓↓↓犬は日陰なんだね。うらやましい。
 ↓↓↓このフリーコンサートは、オペラ歌手がオーケストラの前でアリアを歌うという形式で、通常のオペラとは異なる。とは言え、San Francisco Operaの主催だけあって聞きごたえ十分。レベルの高いアリアを存分に楽しむことができた。これが無料とは驚きだ。こちらでは美術館や博物館は月に1度無料の日があるし、質の高い芸術に誰もが気軽に触れられるようになっていて、本当にスゴイと思う。
↓↓↓大喝采に送られながら3時間にわたるオペラがついに終了!、と思ったら、足元の芝からモグラがひょっこり顔を出した。モグラもオペラを楽しんだのかな?

9/23/2013

◆中華街の看板!:from サンフランシスコ

先週、中華街で行われているシティガイドツアーに参加してきた。ボランティアの人が中華街の歴史を、その舞台になった場所に案内しながら詳しく解説してくれるというもので、英語ができたらかなり面白かったのではないかと思う(残念!)。普通では行かないような小道に入っていったり、ジャッキーチェンの映画の舞台になったビルや、かつてのギャングが活躍した場所に連れて行ってくれたり、盛りだくさんなのだ。英語がイマイチの私は、周囲のお店の看板の文字(書?)を楽しんでお茶を濁したのだった。情けないなあ。いや、“書”を忘れていないということで、これは褒められていいことか?

↓↓↓こちらは顔真卿(がんしんけい)風の文字。自主課題で顔真卿の書を臨書していたせいか、どうしても気になってしまうんだよね。
↓↓↓こちらは隷書(れいしょ)風。
 ↓↓↓丸文字風も発見! 若い人が頑張っているんだろうなあ。

9/03/2013

◆青空の下のフリーコンサート!:from サンフランシスコ

いよいよ9月。青い空、強い陽射し、ちょっと強い風が心地よい季節になった。そんな気持ちのいい天気につられ、ゴールデンゲートパークで開かれているアウトドアコンサートに行ってきた。これは管弦楽団のThe Golden Gate Park Bandが4月末~10月初旬まで毎週日曜日に行っているフリーコンサートで、今年で131年目という長い歴史を持つ。青空に広がっていく音色に酔いしれているうちに、1時間半があっという間に過ぎたのだった。
 ↓↓↓ベンチに座って聞くもよし、ステージの横の階段に座って聞くもよし。こんな大らかで自由な空気の中で老若男女が(ついでに犬も)、コンサートを楽しめるというのはアウトドアならでは。

8/27/2013

◆アートな花屋さん:from サンフランシスコ

先週の土曜日、宿近くのちょっとおしゃれな通り・Polk Streetをぶらついていたら、ミニ盆栽を置いている花屋さん「Utsuwa」に出くわした。店の中はマイナスイオンがいっぱいで、森の中にいるような癒され空間なのだった。もちろん店主は日本人。東京の杉並で花屋さんをやっていたが、3年前にそこを閉めてサンフランシスコに移って来たという。杉並の店で扱っていたものは今の店とほとんど同じだったらしい。アメリカでも日本と同じ内容のサービスが十分に受け入れられているところが、他人事ながら何だかうれしい。要するに、本物のサービスはどこでも通用するということなんだね。

ただ、店に置いてある植物は日本から送られて来たものではない。すべて現地調達だ。そうでないと、うまく育たないのだそうだ。でも、盆栽は? と不思議に思って聞いてみると、カリフォルニアには結構盆栽を作っている人がいるので問題ないんだとか。そうだったのか・・・。知らないうちに、日本文化はどんどんグローバル化しているんだなあ。これはうかうかしていられない(?)。

↓↓↓これがミニ盆栽。お手頃価格でなかなかの人気商品。
↓↓↓これは額の中に収まった“自然”。木の皮で出来たキャンバスにコケやエアプラントなどが植えられている。日々成長していくアートだ。サイズなど注文に応じて作っている。
↓↓↓まだまだあるよ。
↓↓↓最後は店主のいるカウンター。顔は見えません。あしからず。

8/19/2013

◆キース・へリング最後の作品「キリストの生涯」:from サンフランシスコ

サンフランシスコ・ノブヒルにあるグレース大聖堂に行ってきた。ここではストリートアートの先駆者キース・へリングによる祭壇画(彫刻)「キリストの生涯 The Life of Christ」(1990年)を見ることができる。
エイズ撲滅を願って制作され、自身もエイズにより命を奪われたへリング最後の作品だ。下書きなど一切せず、直接粘土に彫っていったという。これを彫り上げた2週間後に亡くなったため完成品を見ることはなかったが、ブロンズに白金で仕上げられた現在の形は、彼が生前に決めていたことだった。へリングらしい鮮やかな色彩が封印されている代わりに、光が織りなす荘厳な美が際立ち、ダイレクトに心に響いてくる。
不思議なことに、これが飾られている周囲のどこを見ても彼の名前や作品タイトルが刻まれているプレートはない。その代わり、「The Interfaith AIDS Memorial Chapel(宗教を超えたAIDSメモリアルチャペル)」と題する3つ折りチラシが置いてあるので、それを見ると、この作品について詳しいことを知ることができる。
また、この作品の左右には様々な宗教を示すシンボルが飾られており、エイズ撲滅のために宗教を超えて助け合おうと、ビジュアルからも訴えかけている。1849年から続く歴史ある教会が、さりげなくこんな事をするというのが、何とも心憎い。
↓↓↓上から、イスラム教、キリスト教、道教、ネイティブアメリカンのスピリチャリティ、神道を示すシンボル。

↓↓↓上から、ヒンドゥー教、ユダヤ教、仏教、ジャイナ教、その他の宗教を示すシンボル。

8/16/2013

◆壁画アートが面白い!:from サンフランシスコ

サンフランシスコでも最近は最高気温が20度を超えることが多くなってきた。街のそぞろ歩きにもってこいの気候だ。そんな中、壁画アートのメッカとも言えるミッション地区に行って来た。この地区には壁画アートが信じられないほど多く、アメリカならではのストリートアートを満喫することができる。適当にぶらぶら歩きしていると、思いがけないアートに遭遇するのが楽しい。アーチストたちの自由な発想で、おもちゃ箱のように多様なアートが生み出されているのだ。
「壁画アートのある風景」を描いている人も。

8/12/2013

◆ド迫力のゴスペル!:from サンフランシスコ

東京の猛暑から逃れようと思ったわけではないが、何故か今、極寒の(?)サンフランシスコに来ている。どのくらい寒いかというと、例えば今日の最高気温は18度、最低気温は12度で、ユニクロのウルトラライトダウンが大活躍するほどなのだ。夜、そのダウンを着て近くのレストランで順番待ちをしていたら、後ろの人に袖を引っ張られたような気がして振り返ると、「これいいなあ~」と2人の女性が私のダウンを撫でている。2人ともカナダから遊びに来ているそうで、「カナダは暑かったからこんな恰好なんだ(でもしっかり長袖)。まさかこんなに寒いとは思わなかった」と言いながらブルブル震えている。「東京も暑いよ。こっちの天候チェックしてこれ持てきたよ(適当な英語でしゃべっているので訳すとこんな感じ)」と言うと、「そっか~~」と、ホント羨ましそうなのだった。

書道とは全く関係ないが、しばらくの間この寒~いサンフランシスコに滞在するので、これからSF感動スポットを気の向くまま紹介していこうと思う。

まずは、Glide Memorial Chuchのド迫力ゴスペルだ。この教会では、毎週日曜日の午前9時からと11時からの2回、ゴスペルの大合唱&大声量歌手による独唱という超パワフルなイベントが開催される。誰でも聞きに行けるし、もちろん無料だ。毎回、世界中からやって来る観光客で満杯になるほど人気がある。歌だけでなく、演説も超ド迫力なのだが、如何せん英語なので内容は不明・・・。取りあえず写真を撮ってきたので、その雰囲気だけでもどうぞ。

8/10/2013

◆遅ればせながらの毎日展!

「今さらこの話題?」と笑われてしまいそうだが(誰に?)、例年通り、毎日書道展が国立新美術館と東京都美術館で開催された。私の作品も何とか入選し、7月17~23日の期間、東京都美術館に展示された模様である。と、何とも歯切れの悪い言い方になってしまったが、要するに自分の目で確かめていないのだ。でも、代わりに友人が見に行って写真を撮って送ってくれたので(感謝!)、一応、間違いなく展示された、と言っていいんだろうな。よかった。

↓↓↓その写真がこちら。「不忘其初(其の初めを忘れず)」の4文字だ。今回は古代文字の木簡(もっかん)風に書いてみた。木簡の素朴な面白さだけでなくデザイン的な美しさ、力強さを何とか引き出したいと思って書いたのだが、少しでも感じてもらえたら嬉しい。

7/21/2013

◆今回も臨書は蘭亭序と祭姪文稿!

夏の暑さにかこつけて、ついグダグダしてしまう今日この頃。いやいやちゃんと臨書もしなきゃいけないぞ、と自らを叱咤激励しつつ、今回も赤坂教室のお題を真面目に(?)いってみよう!

↓↓↓これはいつもの共通課題、王羲之(おうぎし)の「蘭亭序」だ。Aの「又」の部分はもう少し上だ。それに伴いBの「貝」も上がるとバランスがよくなる。Cの部分はもっと直線にしなくてはいけなかった。Dの部分はくねり過ぎだ。
↓↓↓自主課題の顔真卿(がんしんけい)の祭姪文稿(さいてつぶんこう)。Aは墨が入り過ぎてボッタリしてしまった。Bの部分は少し内側に向いた方がよかった。
 ↓↓↓上の続きがこちら。Aはもっと大きく書き、Bの2文字はもっと小さく書きたかったところ。作品として、どの文字を大きく書いたら見栄えがいいかというところまで考えなきゃいけなかった。なかなかそこまで気が回らないんだよねえ~~。

7/08/2013

◆金の墨汁で再チャレンジ!

なんだかんだと一人言い訳をしながらグダグダしていたら、もう7月。猛暑続きに身体も脳ミソもうだってはいるが、気を引き締めて久々の更新だ。今回は超古代文字・甲骨文のオンパレード。前回紹介した金の墨汁を使って再チャレンジした試作もあるので、まずはそれからいってみよう。黒い和紙は、たまたま入った銀座の鳩居堂で見つけたものだ。

↓↓↓これは「雨後青山」の4文字。Aの部分、もう少し上から書き出した方がよかった。Bはスペースが詰まり過ぎ。Cは下を少し延ばした方が落ち着く。
↓↓↓こちらは印に注目。白い紙に押したのとは全く違う表情になっているよね。空高く舞い上がったお正月の凧みたいな風情がある。因みに、この印は教室の種家先生に彫ってもらったもので、私のお気に入りの一つだ。
↓↓↓これは「喜雨(きう)」と読む。「喜雨」とは干ばつの後などに降る恵の雨のことで、「慈雨」と同意語だ。「喜」という文字の形がかわいいよね。先生からの注意点は、Aの形がA-1のように見えてしまうので、A-2かA-3のように書いた方がいいとのこと。Bの横画は太過ぎた。
↓↓↓最後は「緑」。いくつか書いた中で一番よかったのがこれだ。名刺などのアイコンとして使ってみたいと思っているのだが、果たしてうまくいきますかどうか・・・。