◆顔真卿をたっぷり
今回の青山書道教室は、予定通り、顔真卿(がんしんけい)の行書・祭姪文稿(さいてつぶんこう)の雰囲気を出しながら、王褒(おうほう)の漢詩を半切に書くというお題。決まった時間内で大きい紙に書き上げるのは大変だが、こういう場があるというのは、普段あまり家で書けない者にとってはありがたい。
お題の漢詩は、王褒の五言古詩・渡河北(河北に渡る)の中の一節「常山臨代郡(常山、代郡に臨み)」という5文字。黄河を渡る雄大な情景のなかで、故国に思いを馳せる王褒の辛い感情がほとばしっている詩だ。片や顔真卿の祭姪文稿は、戦死した甥を悼む哀しみに満ちた弔辞文。漢詩と書風のイメージが重なってくるよね。
↓↓↓これは最初に書いた1枚の真ん中辺りのクローズアップ。A(転折)の部分、始筆からそのままの勢いで一気に書いてしまったが、筆を止めてバネを効かせ、同じ調子にならないように書かなくてはいけなかった。

↓↓↓全体的に見ると、上半分はホワイトスペースがたっぷりなのに、下半分は詰まっている。バランスが悪かった。残念! 1枚書いたら全体のバランスを見て、悪いところは修正して次を書くべきだった。

↓↓↓こちらは赤坂書道教室のお題。Aの部分、縦画が短か過ぎた。オリジナルの観察が足りなかった。

↓↓↓これ、何と書いているかというと「坐井観天」。意味は・・・??? 雑誌『書道日本』5月号の表紙にあった大御所I先生の書を手本にしたものだ。Aの部分は線が重ならないように書いた方が明るくなるとのこと。確かにその方が品があるよね。それにしても、こんな創作を早く自分で出来るようになりたいなあ。

最後に、今年の創玄展に出した作品の写真をいただいたので、仲間のR子さん、M子さんのものも合わせて一挙に公開しよう(R子さんやM子さんの作品と比べると・・・。ま、いっか)。
↓↓↓まずは準二科賞をいただいた私の木簡(もっかん・約2000年前の文字)。空間が少なすぎたなあ。

↓↓↓二科賞のM子さんの木簡。空間がきれい。

↓↓↓同じく二科賞のM子さんの伸びやかな近代詩。

↓↓↓最後は一科・秀逸のR子さんの作品。すごい迫力だ。