最近、木簡(もっかん)の名品を集めたシリーズ本『簡牘名蹟選(かんとくめいせきせん)』を購入した。そこで早速、今回の赤坂書道教室で、そのなかの面白そうな文字を練習してみることにした。選んだのは、中国・湖北省(こほくしょう)の張家山(ちょうかざん)という場所で発掘された前漢時代のお墓からの出土品・竹簡(ちくかん;木簡の一種で、木ではなく竹に、毛筆で文字が書かれている)で、紀元前186年ころのものだ。今回はそのなかの蓋慮(がいろ)と呼ばれる政策や兵法に関する問答集のなかの一節に挑戦した。お堅い内容のはずだが、さすが古代人。文字はのびのびと元気いっぱいだ。
↓↓↓T先生からは、オリジナルをただ倣うのではなく、作品としての面白さを出すようにと言われた。T先生のお手本を参考にしながら、古代人の大らかな気持ちをイメージしながら書いたのがこちら。「疎遂軍恐」という四文字だが、最初の「疎」はもう少し縦長がよかった。因みに「疎」のヘンは、足ヘンになる。「軍」は、もう少しゆっくり書いた方がいいとのこと。また速書きがバレてしまった。
↓↓↓こちらはいつもの課題・造像記(ぞうぞうき)だ。T先生からの注意事項は、始筆はしっかり、終筆は軽めに。それがこの造像記の特徴になる。また、これに限らず、書く時は先生のお手本だけでなくオリジナルを傍においておくと、ちょっと見るだけで文字の雰囲気を感じることができ、それがいい影響を与えてくれるのだとか。臨書(りんしょ)ではなく自分の作品を書くときも、好きな書体を傍に置いて書くといいそうだ。書いているものと同じ文字がなくてもかまわないという。ふ~む。だいぶ先のことになりそうだが、参考にしようっと。
前置きが長くなってしまったが、Aの部分、ちょっと斜め下に倒れすぎ。そして相変わらず全体のバランスがイマイチで、「生」はもっと下がよかった。わかっちゃいるけど、筆がうまく動いてくれないのさ。