◆初めての国立新美術館
昨日、六本木(というよりは乃木坂)の新名所・国立新美術館で開催中の「ポンピドー・センター展:異邦人たちのパリ」に行ってきた。金曜日の夜は午後8時(入館は午後7時半)まで開いているので、会社帰りに行けるというのがうれしい。
パリのポンピドー・センターには、かつて(20年以上前!)行ったことがあるので、何だかなつかしかった。当時の印象として、ともかくマン・レイの写真が感動的だったこと、絵画や写真だけでなく現代アートの様々なオブジェが展示されていて、それがものすごく新鮮だったことが思い出される。今回も、藤田嗣治、ピカソ、シャガール、カンディンスキー、ジャコメッティといったよく知られているアーチストの作品(今や古典?)だけでなく、自由な発想の現代アート作品も結構あり、仕事ばかりで凝り固まっていた脳みそが一気に開放された。もうちょっとこういう展覧会に行かなきゃなあ・・・。
美術館に入って最初に出迎えてくれたのが、ジャン・ティンゲリー(スイス)の鉄で出来た巨大な虫の骨組みのような作品「メタNo.3」だった。これがギ~~コ、ギ~~コと錆びた鉄特有の、でっかい耳障りな音をたてながら、巨大な台座の上で黙々と動いているのだ。あまりの面白さにしばし見とれてしまった。現代文明を風刺しているような作品で、何かユーモラスであり、意味もなく動く姿には物悲しさも感じたりして・・・。
そしてもう一つ、強烈なインパクトのあった作品が、チェン・ゼン(中国・上海~フランス)の「ラウンド・テーブル」。これも巨大な作品で、円形の大テーブルの円周に様々な椅子が貼りつくだけ貼りついている。どの椅子も座面はテーブル面と融合しているので、誰も座ることのできない椅子たちなのだ。
これらの作品は、どちらも「絶対、どうあっても世の中の役に立たない」ことが際立っているところが、実にアートなのだった。
芸術鑑賞で脳みそに活力を与えたところで、次は胃袋を満足させなきゃ、ということで行ってみたのが美術館の3階にある噂のレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」。8時ごろに行ったのだが、完全に満席状態。念のため予約しておいてよかった。店の雰囲気はカジュアルだったが、値段は一流。グラスワイン1杯に前菜、メインの肉料理、デザート、コーヒーを頼んで、1人約1万円。味はうなるほど美味しかったわけでなく、暴れるほどまずかったわけでなく、まあソコソコですかね。1万円も出してソコソコというのはどうよ、という意見もあろうが、芸術鑑賞で疲れた足には、館内にあるレストランはやはり貴重だった。
3 件のコメント:
ちょうど同じ日、私はそのポンピドーセンターにおりました。以前見たはずの作品が無くなっていると思ったのは、気のせいではなかったのね。東京に行っているとは知りませんでした!
ポンピドーセンターでやっていたのはサミュエル・ベケット展。あの不条理劇「ゴドーを待ちながら」の作者です。創作ノートと映像と音(意味不明なナレーション)で構成された何とも不思議な展覧会でした。勢い余って、グラン・パレで開催されていたnouveau realismeという展覧会にも行きました。いわゆるプラスチックアートです。
さらに余勢をかってピカソ美術館に行き、Picasso Carmenと題された特別展を見ました。中庭のカフェで一休み。ユーロが大分高くなっているので、随分高いエスプレッソになってしまったけれど、1万円は高いと思います!
そっかあ。本物のポンピドーセンターに行っていたのね。うらやましいです。そういう事を聞くと、また行きたくなるなあ・・・。
レストランは、確かに1万円は高いよね。全くおっしゃるとおり、異論はございません。ハイ。
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