2/24/2008

◆書道の1日勉強会:ごっつぁんです!

昨日は、所属する博光書道会の勉強会(春季・錬成会)に行って来た。10時から5時まで、体育館のように広い会場で書道三昧の1日だ。会場には、会長のI先生を筆頭に、T先生を含む博光書道会の主だった先生方が数人来られ、参加した50人以上の生徒が書いているところを回りながらアドバイスをしてくれたり、実際に書きながら教えてくれる。いろいろな先生に教えてもらえるので、普段の書道教室とはまた違った面白さがある。I先生は参加者全員を見て回り、きめ細かく指導してくれるので、これもまた参加者にとっては大きな魅力だ。

会場では、ほとんどの人が毎日書道展(5月締め切り)に応募する作品を書いていたが、私はとてもそんなレベルではないので、とりあえず来年の創玄展用に「木簡」のお手本をもらい、その練習をした。しかし、周りで毎日展用の大きな文字を書いているのを見ると、私もつい書きたくなり、勢いでお手本だけもらうことにした。T先生からも「まだ間に合うから毎日展に出してみたらいいよ」などとのせられ、ついでに毎日展用のお手本選びも手伝ってくださったので、これは書かないわけにはいかないぞ。T先生は、私の豪快さ(?!)が活きるような文字がいいと言い、ものすごくぶっとい線の、迫力ある書を選んでくださったが、まだ毎日展用の大きな紙も太い筆も持っていないので、これからあわてて買わなきゃならん。あら、大変。

↓↓↓それはさておき、昨日1日、地道に練習した成果はこちら。I先生からは、2行目の中心が全体に左に寄っているところを気をつけるようにとのアドバイスをもらう。T先生は「いつもの迫力が足りないよ」「墨が濃すぎるよ」など、「あっ、そうか」と思うようなことを、見て回りながらひとこと言ってくれるので、やっぱり自分のことをよく知っている先生がいると全然違うのだった。最後に、若いときはリーゼントだったというK先生からのアドバイスはこちら。①木簡は1本1本の線をていねいに書くよりも、少々形がくずれてもいいから、目をつむってリズムに乗って書くくらいの気持ちが重要。ただし、手先で書くのではなく、体で書くこと。②線はすべて同じリズムではなく、緩急を織り交ぜて書く。③起筆は皆同じ角度から入るのではなく、真上から入ってみたりして、線により違いを出す。
木簡はかなり書けるようになったと思っていたけど、まだまだ奥は深いのだ。

2/17/2008

◆張遷碑の特徴って?

青山書道教室では、久々にO先生が登場。隷書(れいしょ)にはいくつか種類があるが、そのなかで、今、われわれが習っている張遷碑(ちょうせんひ)にはどんな特徴があるのか、教えてくれた。全体としては、どっしりとした逞しさのある隷書なので、そういうイメージを持って書くことが大切なんだとか。各論で言うと、次のようになる。
①他の隷書と比べて線が太い(起筆を強くすると太く書ける)、②他よりも直線的、③波磔(はたく)は他よりも短く、力強い、④波磔のある横線を書く時は、途中までは若干上がり気味にし、続いて下がり気味に書く。
↓↓↓この4番目の特徴を意識し過ぎて、ついオーバーに書いてしまったのがこちら。でもそれ以外は、元気のよさを褒められ二重丸。


↓↓↓赤坂の書道教室では、いつもどおり王鐸(おうたく)の独創的(?)な行書に挑戦。何度も書いた甲斐あって、ようやく自分でも納得できるレベルになりうれしい限り。ただ、「中」という字は、T先生から「ちょっとこれはやり過ぎかな」と言われてしまった。隷書といい、王鐸といい、その書の特徴をついオーバーに出し過ぎてしまったのがイカンかったなあ。


↓↓↓最後はいつものとおり月例競書への提出用だ。独創的な楷書の名品・賀蘭汗造像記(がらんかんぞうぞうき)。私の大好きな書体のひとつだが、今回のお題には結構苦戦した。ま、この程度でよしとするか。

2/11/2008

◆森美術館の「アートは心のためにある」


昨日、スイスの金融機関・UBSが所蔵する現代美術コレクションの展覧会「Art is for the spirit」を見に行ってきた。欧米だけでなく、世界中の現代アーチストの絵画、写真、オブジェ、ビデオ作品など、合わせて約140点が展示されていて、なかなか壮観で、見ごたえのあるものだった。そのなかには、アラーキーこと荒木経惟の若き日の代表作「さっちん」も何点かあり、ちょっとうれしかった。

なかでもずっしりと心に残ったのは、ビデオ作品で、タイトルは確か「メモリアル・プロジェクト」。横に並んだ5つのモニターにはどれも大理石の板が映っていて、その石板に水をたっぷり含んだ絵筆で人の顔を描くところが映し出されていく。1つめの石板の顔が完成したら、続いて2つめ、3つめと、次々と石板に別の顔を描いていくのだが、その間に、描き終えた顔がどんどん消えていく(水が蒸発する)。人の記憶の消えていく様を見事に映像化した、何かうすら寒くなるような作品だった。他にも、お皿のカケラや百円ライターなどのガラクタを使った大きな三日月のモザイク作品も印象的だった。遠くから見ると、白い壁に大きな三日月がぽっかりと浮かんでいて、なかなか楽しいのだが、近くに行くと、その三日月を形作っているものが全てガラクタであることに気づかされる。人間は宇宙にもゴミを浮遊させているんだったなあ、と愕然としてしまうのだ。

まさに今という時代の、今生きている者だからこそ共有できる、心に響くアート作品は本当に刺激的だ。書道という手法であっても、いつの日か、時代を映す現代のアート表現をしたいなあ。実力が伴うようになる日が来ると信じて、頑張ろうっと。

2/03/2008

◆準二科賞だった!

先週の木曜日、会社から帰宅したら、作品を応募していた創玄展から結果通知の手紙が来ていた。あけてみると、な・な・なんと「準二科賞」だ! 教室では一科(二科で受賞を何回かした人が一科に進める)の人が多くて、みんなうまいなあ、と周りをみながらいつも感心しているんだけど、やっぱり挑戦はしてみるもんだ。受賞通知の手紙を見て「やった!」と一人で喜んでいたら、青山の書道教室で世話人をしてくれているYさんから、「おめでとう電話」があり、二度びっくり。これもみんな、青山・赤坂の書道教室で指導してくれている若いT先生のおかげでごんす。感謝感謝。赤坂の書道教室が終わった後、「お祝いだあ」とT先生も一緒に皆で祝宴となったのだった。なんだか劣等生って、得だなあ。

青山の書道教室は、珍しく大御所のI先生が前回に引き続き登場。すごくていねいに教えてもらうことができたし、創玄展などの展覧会への応募作品添削もひと段落したので、この教室では珍しく、久々にのんびりと書道を楽しめた。

↓↓↓いつものとおり、お題は隷書(れいしょ)の張遷碑(ちょうせんひ)。I先生からの書き方の注意点は、1)横線はゆっくり、しっかり書く、2)縦よりも横線を太くする、3)縦線は必ず逆から入り、折り返して書き始める、4)横線の始筆を強くする。そして今回の字は、「興」という字の書き順を「同」から書き始めた方が文字の中心をうまくとれる、とのこと。それらの注意を守った(つもりの)習作がこちら。I先生からは「うん、なかなかいいよ。この調子でやって」とのありがたきお言葉。こういう素朴系の字は結構得意になってきた気がするぞ。


↓↓↓赤坂の書道教室は、青山教室とはガラッと変わり、王鐸(おうたく)の行書がお題だ。これは王鐸が、酒を飲みながら興に乗って書いたものらしい。う~~~む。どうも古代・素朴系の書体と違い、なかなか思うようにはいきませんがな。