年度が新しくなってから初めて書道教室に行ってきた。仕事が忙しくてすっかりご無沙汰していたが、短い時間でも書道の世界にどっぷりつかると脳の違うところが活性化され、日ごろのストレスが吹っ飛ぶ気がする。やっぱりアートの世界はいいよね。
青山書道教室では、4月から新しいお題になった。楷書の最高峰かつ正攻法の極致とも言われる「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」だ。九成宮は唐の皇帝・太宗の別荘(離宮)の名。そのあたりの土地は水が少なくて難渋していたが、お宮の敷地内で甘酒(醴)のように美味しい湧き水が出た。それを記念して建てられた碑がこれだ。碑文を書いたのは当時最高の書家として一世を風靡していた欧陽詢(おうようじゅん、557~641)。あまりに整った書体であるがゆえに、われわれ臨書する者にとってはごまかしのきかない厳しい書でもある。まいったな、こりゃ。
T先生からの書く前の注意点は、1)横画は始筆を小さく、終筆に向かって徐々に大きくする、2)「武」は横画の右上がりをやや強くする、3)ハネの部分は小さく・軽く、といったところ。
↓↓↓Aの部分。ハネは小さくしたのだが、力が入りすぎてしまった。先生の朱のように、軽~く、軽く。Bの終筆の部分も私のは力が入りすぎ。どちらも一旦筆を浮かせてから、軽~いタッチでハネまたは終筆の部分を、ポン、と書くようにする。なるほどね。
↓↓↓赤坂書道教室のお題はいつものとおり王鐸(おうたく)の行書。糸ヘンの矢印の部分は、行書といえどもキッチリ筆を止めて、カクッとさせなきゃいけなかった。
↓↓↓最後は『書作』ならぬ『書統』の月例競書に提出するための習作(4月からいろんな書体を学べる『書統』も始めることにした)。得意(?)の古代文字・木簡(もっかん)がお題だ。特に最初の字を読める人は相当少ないと思うが、これは「延寿」という目出度そうな文字。年度初めにぴったりだね。